グローバリゼーション1
山奥のほうに、オルゴール工場ができた。
といっても、畑をつぶして砂利を敷いた上にプレハブ小屋をのせただけのところだ。
そこでは、横分けのお兄さんと、黒髪ストレートのお姉さんがたくさん働いていた。
ときどきみんなで二列になって朗らかに笑い合いながら山から降りてきていた。
市場で野菜や肉、米、お酒をたくさん買って、
タカラ本みりんだか、サッポロポテトベジタブルだか、なんだかそんな感じの貰いものの段ボールに詰めては、
また二列になって朗らかに笑い合いながら山に帰っていった。
あれは中国の人やね。
若者たちの笑い声に驚いて、あわてて窓の外をみた私に、母はそういった。
たしかに言葉がわからない。